第7回 神奈川MRI技術研究会



(昭和大学藤が丘病院 高橋俊行先生による感想レポート)

平成19年11月16日(金)にかながわ県民センターに於いて、第7回神奈川MRI技術研究会が開催されました。企画1では各施設における乳腺MRIの撮像方法について、企画2では乳腺MRIの変遷から読影について、3名の先生方にご講演をいただきました。今回は、昭和大学藤が丘病院の高橋俊行先生に、ご講演内容の概要・感想をレポートしていただきます。


【企画1:乳腺MRIIの撮像方法】

 当院の乳腺MRI  演者:公立大学法人横浜市立大学附属病院 放射線部 比佐 雄久先生

横浜市立大学付属病院ではシーメンスの装置を使用し、主にDynamic検査を中心に行っているそうです。VIBEシーケンスを使用して1分間隔で5分まで撮像を行い、ROIによりDynamicカーブを作成して診断に用いているようです。DWIは今後の課題とされており、MRSも試験的に収集されていました。今後も続けてご検討いただき、お話をお聞きしたいと思いました。


 当院における乳腺MRIのルーチンワーク  演者:横浜旭中央総合病院 放射線科 佐藤 茂美先生

横浜旭中央病院では手術決定後に、乳腺MRIをRI検査とCT検査とのセットで行っており、広がり診断、形態診断を目的とした検査が多いとのことでした。Dynamic検査は1分57秒の撮像時間で、1、3、5、7分で撮像しているそうです。興味深い点として、ポジショニングの工夫が挙げられます。脂肪抑制等の感度ムラをなるべく少なくするために、布を用いてポジショニングをされていました。また、女性技師でポジショニングを行うことを理想とするが、人員数の問題でなかなか行えないとのお話がありました。これは私も同感で、性差医療が重要とされる昨今において、ますます乳腺MRIの重要性を感じました。



【企画2:乳腺MRIの臨床】

 演者:東海大学医学部基盤診療学系画像診断学 山下 智裕先生

 今回、山下先生には非常に広範囲の乳腺MRIに関するご講演をしていただきました。ヨーロッパから始まった乳腺MRIは、その後アメリカで開始され、近年では診断や撮像に関して集約されつつあるなどの乳腺MRIに関する歴史や背景を初めとし、装置間による格差、病院間の考え方の違い等の問題点まで分かりやすくご教授いただきました。読影法に関しては、アメリカで報告された「BI−RADS MRI」にガイドラインが掲載され、これが現在の読影法のスタンダードであるとのことでした。乳腺MRI画像は組織診断と切り離せず、乳腺疾患においては重要なモダリティであることを再認識しました。現状の乳腺MRIの問題点等も含まれたご講演であり、非常に参考になりました。



(詳細は『過去の内容』をご参照ください。)

最後に、ご講演いただきました比佐先生・佐藤先生・山下先生に謝意を申し上げます。

(文責:昭和大学藤が丘病院 高橋俊行)



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