6回 神奈川MRI技術研究会



(北里大学 佐藤英介による感想レポート)

平成19年7月6日(金)にかながわ県民センターに於いて、第6回神奈川MRI技術研究会が開催されました。Parallel Imaging技術の開発と進歩は、MRI検査において多大な影響を与えてきましたが、そのParallel Imaging技術について、ユーザー側と開発側との異なる視点から2名の先生方にご講演をしていただきましたので、今回も広報(北里大学医療衛生学部:佐藤)からご講演内容の概要・感想をレポート致します。

【企画1:ASSET法とGEM法について】

 演者:昭和大学藤が丘病院 中央放射線部 高橋俊行先生

昭和大学藤が丘病院では、本年4月に2台のMRI装置が稼働し始めたということですが、導入前の装置ではParallel Imagingを使用しての撮像ができなかったそうです。初めてParallel Imagingに触れるスタッフもおられたそうで、ファントムによる基礎的実験・ボランティアによる基礎的実験・臨床応用を通してParallel Imagingの理解を深め、上手く活用するには?ということを毎日議論されているようでした。今回、高橋先生には既に皆さんがご存じのASSET法に加え、GEM(General Encoding Matrix Recon)法という新たなParallel Imaging技術についての原理的な解説と、臨床での適応についてご講演いただきました。GEM法の使用経験がない方やGEM法という言葉を初めて耳にされる方もたくさんおられたのではないかと思いますが、新たなParallel Imaging技術の1つとして臨床への応用がなされていくことが期待されています。

 

【企画2:パラレルイメージング技術について】

演者:東芝メディカルシステムズ株式会社 MRI事業部 青木郁男先生

Parallel Imaging技術は受信コイルを工夫することで成立しますが、単純なコイルの多チャンネル化だけではSNRの低下や特有のアーチファクトを引き起こしてしまいます。コイルの形状や配置をどのようにすればParallel Imaging画像を良くできるのか?という開発部分について、青木先生にご講演いただきました。聴講している我々が開発者の立場に立って開発過程を考えていくというシナリオ方式での内容でしたので、まるで自分が開発しているかのような錯覚を持ちました。Parallel Imaging技術について開発側の視点から考えてみることにより更に理解を深めることができたのではないかと思います。



(詳細は『過去の内容』をご参照ください。)

最後に、ご講演いただきました高橋先生・青木先生に謝意を申し上げます。

(文責:北里大学 医療衛生学部 佐藤英介


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